学資保険の知識

学資保険に税金はかかる?満期の申告や対策を現役FPがわかりやすく解説

学資保険で子どもの学費に備えている親御さんで、意外と知らないのが満期保険の税金についてです。

お祝い金や一時金などまとまったお金を受け取ることになるので、税金について心配されている方もいるのではないでしょうか。

学資保険の受け取りでどんなときに税金がかかるのか?現役FPがパターン別に詳しく紹介していきます。

学資保険で満期金に税金がかかる3つのケースとは

学資保険を満期金として受け取るときに、税金がかかるのはどんなときなのか?

具体的な3つのケースについて詳しく説明していきます。

ケース1 50万円以上の利益が出た時は一時所得

学資保険の満期金を受け取るときに、金額の大きさは関係なく50万円以上の利益が出たときは「一時所得」に分類されます。

学資保険の多くが0歳~2歳のときに契約し、18歳前後で満期を迎えまとまったお金を受け取ります。

満期金として受け取った金額を「総収入金額」とし、具体的に「支払った保険料総額」を引き、ここから「特別控除額50万円」を差し引いたものが「一時所得」です。

50万円以上の満期金を受け取らない限りは“課税対象外”となり、一時所得の課税対象にはなりません。

ケース2 学資金として受け取った時は雑所得

学資保険の満期金の場合は、一定の金額以上でないと一時所得にはなりません。

でもあなたが自営業の場合は、少額のお金を受け取るだけでも「雑所得」に分類されてしまいます。

お祝い金など何回も分けてお金を受け取る場合、特別控除額がありません。自営業をしている人であればイメージしやすいかと思います。

「学資年金年額」から「支払保険料総額」÷「総支給見込額」を出すと、雑所得の金額がいくらになるかを算出できます。

会社員で勤めている人の場合、給与所得(退職所得以外の金額)が20万円になるまでは非課税になりますが、自営業の場合は使えません。

自営業の場合は、満期金の金額によってはまとまったお金として受け取ったほうが、金額が安くなる場合もあります。

ケース3 契約者と受取人が異なる時は贈与税

学資保険に契約した人と実際に受け取る人が違うと、かかる税金の種類が変わり「贈与税」の扱いになります。

学資保険のなかには、親だけでなく祖父母が契約者となり学資保険を支払っている場合があります。

そうなると学資保険のお祝い金もしくは満期金を受け取る際に、課税対象になってしまうのです。

学資保険を契約したのが親で、実際に受け取るのも親であれば、かかる税金は「所得税」に分類されます。

贈与税は年間(1月1日~12月31日)までの1年間の間に、受け取った金額から基礎控除額110万円を差し引き、残った金額に贈与税率をかけ控除(条件によって異なる)を差し引き計算します。

110万円以下の金額であれば控除内になりますので、税金はかかりません。

また、贈与税でも贈与する人と受取人、年齢によっても「一般贈与財産」または「特例贈与財産」に区分され税率が変わります。

学資保険には所得税・相続税はかかるの?

学資保険には受け取り方によって、所得税や相続税がかかるケースもあります。

また、学資保険を解約するときの解約返戻金によっても課税対象になることも考えられるので、加入する前にどんなケースが想定されるのか認識しておきましょう。

育英年金を受け取った場合

学資保険は、契約している親が亡くなってしまったとき保険が満期になるまで「育英年金」を受け取れるものもあります。

一定の非課税枠はあるものの、翌年度以降は年金を受け取る権利に対して相続税がかかり雑所得に分類されます。

育英年金の金額が大きくなってしまうと、親の扶養から外れてしまい所得税の対象になります。

学資保険のなかには、育英年金をオプションとして追加できるものもありますが、学資保険とは別に生命保険でまかなうのが一般的です。

育英年金を学資保険につけるかどうかはしっかりと検討してくださいね。

満期金を一時金として受け取る場合

学資保険を満期金としてまとめて受け取る場合、一時所得は50万円までの特別控除があります。

自営業など学資保険以外に一時所得となる収入があると、税金がかかる対象になってしまうこともあります。

学資保険の満期金をいくらにしているかによっても変わりますが、一時金として受け取るときは税金がかからないように注意してくださいね。

満期金を年金形式で受け取る場合

学資保険の満期金を学資年金として保険で受け取ることもできます。この場合は雑所得に分類されます。

雑所得は一時所得のように特別控除がなく課税対象になりやすいので注意が必要です。

年金の場合は、毎年お金を受け取れる分在学中の金銭的な負担軽減にも繋がりますが、税金が発生するとその分確定申告の手間が出てきてしまいます。

学資年金として受け取る場合、会社員は年間20万円以内に収めることで、課税対象外になります。

受け取る人がどんな仕事をしているのかによっても、税金がかかるかどうかは変わります。

解約時返戻金を受け取る場合かかることも

学資保険を解約するときにも注意が必要です。学資保険を解約したときに受け取る「解約返戻金」ですが、一時所得として課税対象になります。

学資保険に加入し一定期間までは支払った保険料よりも少ない解約返戻金が戻ってくるため、税金の対象にはなりません。

一定期間が過ぎると解約返戻金のほうが多く戻ってくるので、控除額を超えると税金の対象になります。

また、解約返戻金を受け取る人と保険料を支払っていた人が別々の場合は、110万円以上になると贈与税の対象になります。

学資保険の税金対策はどうしたらいいの?

学資保険の受け取りで課税対象にならないためには、具体的にどうしたらいいのか?そのための対策について詳しく紹介していきます。

税金対策1 契約者と受取人は同じ人にする

学資保険で契約するとき、事前に受取人を決める必要があります。受取人については真剣に話し合い決めるのをおすすめします。

親が契約して保険料を支払い受け取る限りは、一時所得になりますので所得税の対象になります。

でも学資保険の受取人を子どもにした場合、子どもが保険料の支払いをするわけではありません。親が保険料を支払い子どもが受け取る場合は、贈与税の対象になります。

所得税よりも贈与税のほうが税金の金額が大きくなってしまいます。学資保険は契約者と受取人を同じにするのをオススメします。

また、学資保険は親が離婚したときは名義人の変更を行うようにしてくださいね。

学資保険の多くは父親に設定している人が多く、離婚後の親権は母親になると学資保険で貯めたお金が正しく子どもに使われるかどうかはわかりません。

なかには途中で解約してしまうリスクも考えられます。離婚したときは親権者が学資保険の契約者に変更します。

ちなみにこのタイミングで学資保険を解約すると、財産分与の対象になってしまいます

税金対策2 満期保険金が高額の場合は分割で受け取る

学資保険の受け取り方法を満期保険金にしてしまうと、課税対象になってしまいます。

特に学資保険の運用で増えた金額が50万円以上になると、控除金額の50万円を差し引いても税金の対象になってしまいます。

学資保険が高額な契約の場合は、分割受け取りにして節税対策を心掛けるようにしましょう。

課税は基本的に年単位にて行われますし、高額な満期保険金の場合は、受け取る年を1年ずらすようにしてくださいね。

分割すると特別控除の枠内になりますので、満期保険金を受け取る金額も変わりませんし税金もかからないので結果的にオトクです。

ただし分割のとき、子どもの学費がかかるときに手元にお金がなくなってしまう危険性もあるので、預貯金と相談しながら計画的に受け取るようにしてくださいね。

税金対策3 自営業者は年金形式でないものを選ぶ

学資保険のなかでも年金タイプのものは、雑所得に分類されてしまいます。

特別控除がない分、返戻率の高い学資保険に入っても税金の分が差し引かれてしまいます。

会社員など給与所得者の場合は、20万円が控除になりますが自営業の場合はその控除がありません。

ただでさえ収入が不安定になりやすい自営業ですし、子どもの在学中にかかるお金をカバーでいる年金タイプは魅力的に見えるかもしれません。

でも、税金がかかってしまうことも考えると資金的にも余裕があるなら学資年金の受け取り方法はおすすめしません。

満期保険金で一括で受け取れる学資保険を選ぶようにしてくださいね。

税金対策4 贈与税の場合は1年で110万円以内に抑えよう

学資保険の契約者と受取人が別々になってしまう場合は、贈与税の額が110万円以内に抑えるのをおすすめします。

贈与税額の計算式として「満期保険金+積立配当金-基礎控除110万円」×贈与税の税率にて計算します。

例えば祖父母から子どもや孫(成人している)に学資保険の満期金より、贈与を行ったと仮定します(特例贈与財産用)。

満期保険金を300万円として計算すると、300万円-110万円(基礎控除)×10%=9万円となり、税率は10%に抑えることができます。

今回は祖父母で計算しましたが、税法上保険料を支払う人とお金を受け取る人が別々になると、贈与の扱いになります。

夫が学資保険の契約者になり妻が保険金を受け取る場合も、贈与税の対象になります。

基礎控除の110万円を超えないように、1年間の受取額をしっかりと検討することも必要です。

贈与税は負担も大きいので大切に貯めてきた保険金が、予定よりも少なくなってしまうこともあります。

また贈与税の場合は確定申告が必要になりますので、費用的な面だけでない負担も出てきてしまいます。

税金対策5 年末調整や確定申告で生命保険控除の対象

学資保険というと子どもの将来の学費を積み立てるものというイメージがあるかもしれませんが、生命保険会社が販売している“生命保険”の一種として分類されます。

学資保険の特徴として、契約者が死亡したり高度障害などの万が一の状態になってしまったときに払込免除などの生命保険としての役割も担っています。

生命保険料控除には以下の3種類があります。

  • 一般生命保険料控除
  • 個人年金保険料控除
  • 介護医療保険料控除

このなかで学資保険は「一般生命保険料控除」に該当します。

学資保険の保険料は会社員であれば年末調整、自営業やフリーランスは確定申告で“生命保険控除”の対象になります。

学資保険を満期で受け取る額が大きくなればなるほど、かかる税金は大きくなりますので、利用できる控除は忘れずに申請するようにしましょう。

支払った保険料に対して最大4万円の控除を受けられます。

生命保険控除の手続きは、毎年10月から11月に加入している保険会社より、年間の保険料の“支払い控除申告書”が届きます。

控除を受ける場合、自ら申告しないと保険料控除にはなりません。

それぞれ上限額がありますが、翌年度の所得税・住民税の節税になりますので、忘れずに申告しておきましょう。

ただし学資保険を保険料控除にできないケースもあります。保険商品によっても変わりますが5年未満のものは控除対象外になることもあります。

また学資保険を契約したのが妻で、保険料を支払っているのが夫のご家庭もあると思います。

妻がパートをしていて年間の所得が103万円以下の場合は、所得税がかからないため生命保険控除は影響しません。

その分住民税は安くなるので控除の申告を必ず行うようにしてくださいね。

また、会社員の方で年末調整で保険料控除を忘れてしまったときは、「確定申告(2月16日~3月15日)」もしくは「還付申告(保険料を支払った翌年の1月1日より5年間)」をすれば控除を受けられます。

まとめ

せっかく貯めた大切な学資保険だからこそ、できるだけ税金をかけずに受け取れるのが一番です。

契約者と受取人の違いでも贈与税になってしまったり、満額保険金をまとめて受け取る際も所得税がかかってしまうリスクもあります。

予定していた金額よりも保険金が少なくならないように、税金控除ができるのかを確認したうえで契約してくださいね。

契約時にわからないことがあれば、保険会社の担当者に相談し納得できるまで確認しましょう。

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FPももか
保険比較ラボのFP(ファイナンシャルプランナー)岡野ももか。元保険販売員の経験を生かして、初心者や女性に向けて、わかりにくい保険選びを無駄なくお得に見直しする方法をわかりやすく紹介。
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