すでに学資保険に加入している人、子供が生まれて学資保険には入らないと思っている人は多いのですが、実際に学資保険をよくわかってない人はけっこう多いです。
これから学資保険に加入しようという人は学資保険がどのようなものか、どんな特徴があるのか、正直よくわからないでしょう。
今回は現役FPの立場から、初心者にもわかりやすく、学資保険とはどんなものなのか、メリット・デメリット、必要な学費の平均総額などについてわかりやすく説明していきますね。
学資保険とは

学資保険とは家族の大黒柱である世帯主の死亡保障と、子どもさんの将来の教育資金を蓄えるための保険で、別名「こども保険」とも言います。
保険の保障期間内に契約者が死亡したり高度障害状態になると、それ以降の保険料は免除になり、加入時に決めた金額が受け取れるようになっています。
保険会社によっては免除制度がない商品や、お子さんの入院保障に備える医療保障が付いている商品もあります。
学資保険の目的は教育費の積立金
学資保険は子どもさんの教育費を貯めるための1つの方法で、商品によって年齢設定が決まっています。
日本政策金融公庫が2018年2月に発表した調査から、子ども一人当たりの高校から大学卒業までの学費は953.3万円(平均)です。
だからできれば生まれる前から準備したほうがよいです。学資保険は子どもさんがある年齢になったら、祝い金や満期金として給付を受けられます。
人気の高いある保険会社の学資保険は、学資金合計200万円、払込期間10年で返戻率は107.2%となります。
よい学資保険を選べば、支払った金額よりも高い金額をもらうことができるので、返戻率が高い商品ほど有利です。
基本は同じですが、満期や入学など似合わせて祝い金がもらえる「貯蓄」の部分と、一家の大黒柱の契約者が死亡時に備えた「保障」の部分があります。
学資保険には契約者が死亡したら育英年金が受け取れるものがあり、育英年金が受け取れるということは学資保険に収入保障保険セットされているということです。
死亡保障と重複しているので戻り率はあまりよくないですが、損はしないです。
学資保険の必要性について

子供のために学資保険は必要だと言われても、本当に自分たちにとって学資保険は必要なのか疑問を感じている人もいます。
学資保険はどのような人が加入するとよいのか、学資保険に入ることが必要な人について考えました。
学資保険に入ることが必要な人とは
学資保険に入ることが必要な人は、積立貯金を始めてもなかなか続かない人です。
積立貯金は地道に少しずつお金を貯めていくことが必要なのですが、お金を使いたくなって積立貯金をおろして使ってしまうという人もいます。
そんな生活を続けていたら、子供のための学費をこつこつ貯めることはできません。
ところが学資保険に加入して保険料で納め続けていれば、払っている目的がはっきりしてるので、子どものために途中で解約しようという気持ちにはなりません。
学資保険に加入の際に気をつけたいポイント
学資保険は保険なので、他の保険と同じく途中で解約するとかなり損します。損をしたくなければ満期まで払い続ける必要があります。
しかし、学資保険に払うのにお金はやっとというギリギリの状態だと、いつ学資保険を払えなくなるかわかりません。払えなくなって途中解約すれば、今まで頑張ってきた努力がムダになります。
学資保険のメリット・デメリット

子供を育てるには、特に学費にかなりお金がかかります。そこで、いざ必要になった時にお金が用意できないと困るので、前もって準備したいのが学資保険です。
学資保険に入れば、高校入学や大学入学時にかかる費用を早いうちから計画的に貯めれるので、後で困ることはありません。
しかし、学資保険にもメリットとデメリットがあるので、加入する前にポイントを押さえておきましょう。
学資保険のメリット
学資保険のメリットは、子供にかかる資金を計画的に貯められるところです。
契約者である親が死亡した場合はそれ以降の保険料は不要になり、祝い金や満期学資金は契約時に予定した金額を100%もらえます。
- 学資保険は親に万が一の時に、子供には自由に進路を選んでもらいたい。
- 貯金が苦手だから子供のために計画的にお金を貯めたい。
という人にオススメです。
学資保険のデメリット
学資保険のデメリットは、返戻率が100%を下回ることがあるところです。
子供の学費のために満額もらえると思って、安心して学資保険に加入していたはずなのに、満期になっておりた保険金が、これまで払っていた額よりも下回っていることは多いです。
学資保険は途中解約すると元本割れの可能性が高く、インフレに弱いために思っていた額よりも少なくなることがあります。
子供にかかる学費の総額は

子供にはかなりの学費がかかることはわかっていても、子供がまだ小さい人は、将来どのくらいの学費が必要なのか検討がつきません。
早いうちから積立することは必要ですが、一体どのぐらい用意したら良いのかを説明します。
大学卒業までにかかる学費はどのぐらい
幼稚園から小学校、中学校、高校までは公立を選び、大学に私立を選んだ場合にかかる学費は、約1,060万円だと言われています。
幼稚園から大学まで私立を選んだ場合の学費は、その2倍以上の約2,140万円です。
しかし、この金額には子供にかかる食費などの生活費は含まれてないので、子供を大学卒業させるまでにさらにお金がかかります。
高校までは家から通っていた子供も、自宅から離れた大学に入学が決まれば、その後4年間の大学生活では一人暮らしに必要な経費もかかります。
自宅から大学に通っている大学生と、一人暮らしをしている大学生では、年間平均して生活費で62万円の差が出ます。
だから一人暮らしをする場合は、大学からの生活費はかなり多めに設定したほうがよいです。
学費の公的支援とは
日本では現在、学費を国が支援する仕組みがあります。それが児童手当です。中学生までは子供一人あたりに月額1万円が支給され、高校生は授業料がかかりません。
地域によっては就学支援をしている場合があるので、お住いの地域でどのような就学支援が受けられるのか、早いうちに調べておきましょう。
公的支援を受けた上で、自分たちの子供にはどのぐらいの学費が必要なのかを計算すれば、いくら用意したらよいかがわかります。
学費として貯めておくべき金額は

子供を持つ親にとって気になることは、子供一人に対してどれぐらいの学費を用意しておけばよいかということです。
まだ子供が小さいうちは進路も決まってないので、はっきりした金額を計算することは難しいです。
お金はすぐに貯まらないので、早いうちから貯蓄は必要です。必要になった時期に足りないというわけにはいけない、子供の学費を調べました。
子供の学費はいつを目安に貯めればいいの
子供の数や子供の進路によって学費もかなり変わり、学費は多くかかる時期は決まっています。
たとえば小学校から高校まで公立に通う場合は、お金はそれほどかかりません。
しかし公立に通っても、お金がかかってくるのは大学に入ってからです。
大学入学時には入学金を払わなければいけませんし、月々の授業料や施設を前もって半年から一年分払うことを義務付けている大学は多いです。
家を出て一人暮らしする場合は、その金額に加えて生活費も用意しなければいけませんし、公立大学を目指していても、私立大学で落ち着いてしまうこともあります。
払えないということがないように、子供の学費は大学入学時に対応できる分だけは貯めるようにしてください。
子供の学費はどのぐらい貯めるべき
公立大学に行ってくれれば、親の負担はそれほどではないですが、目指す大学や合格した大学が私立大学ということもあります。
多めに設定しておけば、いざという時に楽なので、子供の学費は大学を私立に行った場合で計算しましょう。
私立大学に4年間通う場合、総額費は平均して526万7200円です。
毎月3万円ほど家計費の中から学費を払えるとすれば、子供が生まれてから貯めていくべき貯蓄費用は1万7188円という結果が出されています。
家計費から捻出できる学費の額が上がれば貯蓄にまわす額は減ります。
何があった時でも対応できるように、家計費から捻出できる3万円以外に必要な額を考え、0歳から1万7188円以上の金額を貯めておきましょう。
学資保険についてくる育英年金とは

子供が将来どのような道に進んでも、お金が足りるように、多くのママ、パパが加入を検討するのが学資保険です。
学資保険の特約の一つに育英年金が付いていることは多いですが、育英年金とはどういうものなのか、育英年金が必要な場合とそうでない場合について説明します。
育英年金とはどういうもの
学資保険の契約者である親が死亡、または高度障害になった場合、学資保険を払い続けられなくなります。
学資保険ではそのような問題が起きた場合は、以降の保険料の払込が免除されます。
それだけでなく親を失った子供に対して支払われるのが育英年金です。
積み立てた保険金の中からお祝い金がもらえる以外に、育英年金として子供たちは年金という形で給付金を受け取れます。
育英年金が必要な場合とそうでない場合は
親に万が一のことがあった時、子供の不自由な思いをさせないためにこの特約をつける人は多いです。
しかし育英年金は特約の一つなので、付けると付けないでは学資保険の額が変わってきます。
育英年金は親の死亡保障と変わらないので、掛け捨てもありますが、死亡保険に加入していないのであれば、将来の不安を解消するために育英年金は効果的です。
もし親が自分で加入している死亡保険があれば、二重の保障になるので、わざわざつける必要はありません。
まとめ
学資保険は必ず入らないといけないものではなく、続けられないとかえって損をします。
学費にかかる費用は子供さんの進路によって異なるので、学資保険だけに頼るのではなく、貯蓄や投資などで余裕のある学費を用意しておきましょう。